【Python】pow()を使って累乗の計算を行う!
Pythonのpow()を使用することで、累乗の計算を行うことができます。
pow()とは指定した数値の累乗した値を返す関数であり、基数と指数を指定することで基数の累乗の計算し結果を取得することができます。
累乗の計算なら「*演算子」でも可能ですが、pow()は数値を指定するだけで計算できるので*演算子より簡単に計算ができます。
しかし、指数が0の場合は「1」を返したり、指数が非数の場合は「nan」を返すなど、累乗には特例のパターンがありますので塩要する際には注意が必要です。
今回はPythonのpow()を使って累乗の計算を行う方法について以下の内容で解説していきます。
⚫︎ 正の数の累乗の計算を行う場合
⚫︎ 負の数の累乗の計算を行う場合
⚫︎ 0の累乗の計算を行う場合
⚫︎ 正の無限大の累乗の計算を行う場合
⚫︎ 負の無限大の累乗の計算を行う場合
⚫︎ 非数の累乗の計算を行う場合
⚫︎ 累乗の特例のパターン
目次
pow()とは
pow()とは指定した数値の累乗した値を返す関数になります。
pow()の書き方
pow()の書き方は下記となります。
1 |
pow(基数, 指数) |
pow()のパラメータ
⚫︎ 基数:
累乗を計算するための基数を指定する(2の3乗の2にあたる部分)
⚫︎ 指数:
累乗を計算するための指数を指定する(2の3乗の3にあたる部分)
pow()のパラメータに基数と指数を指定することで基数を指数で累乗した値を返します。
累乗の計算を行うサンプルコード
累乗の計算を行うサンプルコードを紹介します。
正の数の累乗の計算を行う場合
基数に正の数を指定して累乗の計算を行ってみます。
例
1 2 3 4 5 6 7 |
num = 2 print('・基数に正の数を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num, 2) print(num_pow1) num_pow2 = pow(num, -2) print(num_pow2) |
出力結果
・基数に正の数を指定して累乗の計算を行う
4
0.25
pow()の基数に正の数を指定した場合は、基数の累乗を計算した結果を返しています。
負の数の累乗の計算を行う場合
基数に負の数を指定して累乗の計算を行ってみます。
例
1 2 3 4 5 6 7 |
num = -3 print('・基数に負の数を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num, 3) print(num_pow1) num_pow2 = pow(num, -3) print(num_pow2) |
出力結果
・基数に負の数を指定して累乗の計算を行う
-27
-0.037037037037037035
pow()の基数に負の数を指定した場合は、基数の累乗を計算した結果を返しています。
0の累乗の計算を行う場合
基数に0を指定して累乗の計算を行ってみます。
例
1 2 3 4 5 6 7 |
num = 0 print('・基数に0を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num, 2) print(num_pow1) num_pow2 = pow(num, -2) print(num_pow2) |
出力結果
・基数に0を指定して累乗の計算を行う
0
ZeroDivisionError: 0.0 cannot be raised to a negative power
pow()の基数に0を指定した場合は、指数が正の数である場合は「0」を返しますが、指数が負の数である場合はエラーになります。
正の無限大の累乗の計算を行う場合
基数に正の無限大を指定して累乗の計算を行ってみます。
例
1 2 3 4 5 6 7 |
num = float('infinity') print('・基数に正の無限大を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num, 3) num_pow2 = pow(num, -3) print(num_pow1) print(num_pow2) ) |
出力結果
・基数に正の無限大を指定して累乗の計算を行う
inf
0.0
pow()の基数に正の無限大を指定した場合は「inf」を返し、指数が負の数である場合は、「0.0」を返すようになります。
負の無限大の累乗の計算を行う場合
基数に負の無限大を指定して累乗の計算を行ってみます。
例
1 2 3 4 5 6 |
num = -float('infinity') print('・基数に負の無限大を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num, 3) num_pow2 = pow(num, -3) print(num_pow1) print(num_pow2) |
出力結果
・基数に負の無限大を指定して累乗の計算を行う
-inf
-0.0
pow()の基数に負の無限大を指定した場合は「-inf」を返し、指数が負の数である場合は、「-0.0」を返すようになります。
非数の累乗の計算を行う場合
基数に非数を指定して累乗の計算を行ってみます。
例
1 2 3 4 5 6 7 |
num = float('nan') print('・基数に非数を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num, 3) num_pow2 = pow(num, -4) print(num_pow1) print(num_pow2) |
出力結果
・基数に非数を指定して累乗の計算を行う
nan
nan
pow()の基数に非数を指定した場合は、「nan」を返すようになります。
累乗の特例のパターン
累乗の特例のパターンがありますので紹介していきます。
指数が0の場合
指数が0の場合はどの数値を基数にしても「1」を返すようになります。
例
1 2 3 4 5 6 7 8 |
num1 = 5 num2 = -4 print('・指数に0を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num1, 0) num_pow2 = pow(num2, 0) print(num_pow1) print(num_pow2) |
出力結果
・指数に0を指定して累乗の計算を行う
1
1
指数が非数の場合
指数が非数の場合は、どの数値を基数にしても「nan」を返すようになります
例
1 2 3 4 5 6 7 8 |
num1 = 6 num2 = -4 print('・指数に非数を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num1, float('nan')) num_pow2 = pow(num2, float('nan')) print(num_pow1) print(num_pow2) |
出力結果
・指数に非数を指定して累乗の計算を行う
nan
nan
基数の絶対値が1より小さく、指数が負の無限大の場合
基数の絶対値が1より小さく、指数が負の無限大の場合は「inf」を返すようになります。
例
1 2 3 4 5 6 7 8 |
num1 = 0.4 num2 = -0.5 print('・基数の絶対値が1より小さく、指数が負の無限大を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num1, -float('infinity')) num_pow2 = pow(num2, -float('infinity')) print(num_pow1) print(num_pow2) |
出力結果
・基数の絶対値が1より小さく、指数が負の無限大を指定して累乗の計算を行う
inf
inf
基数の絶対値が1より大きく、指数が負の無限大の場合
基数の絶対値が1より大きく、指数が負の無限大の場合は、「0」を返すようになります。
例
1 2 3 4 5 6 7 8 |
num1 = 3 num2 = -5 print('・基数の絶対値が1より大きく、指数が負の無限大を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num1, -float('infinity')) num_pow2 = pow(num2, -float('infinity')) print(num_pow1) print(num_pow2) |
出力結果
・基数の絶対値が1より大きく、指数が負の無限大を指定して累乗の計算を行う
0.0
0.0
基数の絶対値が1より小さく、指数が正の無限大の場合
基数の絶対値が1より小さく、指数が正の無限大の場合は、「0」を返すようになります。
例
1 2 3 4 5 6 7 8 |
num1 = 0.3 num2 = -0.5 print('・基数の絶対値が1より小さく、指数が正の無限大を指定して累乗の計算を行う') num_pow1 = pow(num1, float('infinity')) num_pow2 = pow(num2, float('infinity')) print(num_pow1) print(num_pow2) |
出力結果
・基数の絶対値が1より小さく、指数が正の無限大を指定して累乗の計算を行う
0.0
0.0
基数が正の無限大で、指数が0より小さい場合
基数が正の無限大で、指数が0より小さい場合は、「0」を返すようになります。
例
1 2 3 4 5 |
num = float('infinity') print('・基数が正の無限大で、指数が0より小さい数値を指定して累乗の計算を行う') num_pow = pow(num, -6) print(num_pow) |
出力結果
・基数が正の無限大で、指数が0より小さい数値を指定して累乗の計算を行う
0.0
今回のポイント
pow()で累乗を計算
Pythonで累乗を計算するにはpow()を使用する。
⚫︎ pow()で累乗を計算するにはパラメータに基数と指数を指定する
⚫︎ pow()の基数に正の数や負の数を指定した場合は、基数の累乗を計算した結果を返す
⚫︎ pow()の基数に0を指定した場合は、指数が正の数である場合は「0」を返すが、指数が負の数である場合はエラーになる
⚫︎ pow()の基数に正の無限大を指定した場合は、「inf」を返し、指数が負の数である場合は「0.0」を返す
⚫︎ pow()の基数に負の無限大を指定した場合は、「-inf」を返し、指数が負の数である場合は「-0.0」を返す
⚫︎ pow()の基数に非数を指定した場合は「nan」を返す
⚫︎ pow()の指数が0の場合は「1」を返す
⚫︎ pow()の指数が非数の場合は「nan」を返す
⚫︎ pow()の基数の絶対値が1より小さく、指数が負の無限大の場合は「inf」を返す
⚫︎ pow()の基数の絶対値が1より大きく、指数が負の無限大の場合は「0」を返す
⚫︎ pow()の基数が1より小さく指数が正の無限大である場合は「0」を返す
⚫︎ pow()の基数が正の無限大で指数が0より小さい場合は「0」を返す
ST
株式会社flyhawkのSTです。フライテックメディア事業部でのメディア運営・ライター業務なども担当。愛機はMac Book AirとThinkPad。好きな言語:swift、JS系(Node.js等)。好きなサーバー:AWS。受託開発やプログラミングスクールの運営をしております。ご気軽にお問い合わせください。